けまろう

レヴェナント:蘇えりし者のけまろうのネタバレレビュー・内容・結末

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

『レヴェナント-蘇えりし者』鑑賞。息子ホークを殺された父親グラスの復讐劇。「枝葉は揺らめいていても幹は動じない」という亡き妻のメッセージは多少のことでは潰えない復讐の憤怒なのか。
散々復讐に燃えるも最終的な結論は「復讐は神に任せよ」という、遭難の道中で遭遇した先住民の言葉だ。しかし、同じ考え方を持ちながらもグラスの復讐は成り、先住民は復讐を遂げる前に開拓者に殺されてしまう。それは恐らく信奉していた神の違いか。未開拓地の神とはつまり大自然のことであり、ロケ地アルゼンチンの大自然の絶景は本当に圧巻である。しかし、グラスにとっての神は異方の自然ではなく亡き妻である。復讐を遂げた後、微笑む亡き妻の幻影がそれを物語っている。自然を崇めていた先住民は開拓者という文明の申し子に侵略されただけに過ぎない。
宙を浮く亡き妻の姿はまるで神のようであるが、この表現の仕方はまさにタルコフスキー『サクリファイス』のマリアであり、『惑星ソラリス』のハリーではないか!
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