アキラナウェイ

レヴェナント:蘇えりし者のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
4.5
例えるならばビッグマックばっかり食べていたら、いきなり生の鹿肉食べろと差し出された様な衝撃。
例えるならば安穏とした生活を送っていたら、拳大の岩で後頭部を殴りつけられた様な衝撃。

間違いなくGWのファミリー層が観に行ってはいけない本気度。

映画が始まると
目を奪われる。
言葉を失う。
息が出来なくなる。

素晴らしきはカメラワーク。
近景と遠景が交互に現れ、静と動が織り成す映像世界に一気に惹き込まれる。
近い時はディカプリオの吐息でカメラが曇り、トム・ハーディとの死闘による血しぶきがカメラに飛ぶ。遠い時は、北米(一部南米の高地)のマジックアワーと呼ばれる1日1時間半程度の黄昏時にだけ見られる壮大な雪原風景が広がる。
近すぎて遠すぎるカメラワークで、登場人物の痛みも憎しみも、大自然の厳しさも自然光の美しさも全て嫌という程疑似体験出来る。

その分、観終わった後の虚無感は凄まじく、万人にお勧め出来る映画ではない。
それでもディカプリオ史上最高の演技が観れて、オスカー受賞は文句無し。
体調が万全で、その日、気分が沈みきっても大丈夫なスケジュールならばお勧めです。