ヴェルヴェっちょ

レヴェナント:蘇えりし者のヴェルヴェっちょのレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
4.3
レオナルド・ディカプリオが悲願のアカデミー賞主演男優賞を受賞したことで話題となった今作ですが、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督が「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」からまた新たな境地へと躍り出た作品としても注目です。

実話を基にした小説を映画化。
アメリカ西部の未開拓な荒野。 狩猟中に熊に喉を裂かれ瀕死の重傷を負ったハンターのヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は、狩猟チームメンバーの一人、ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に見捨てられ置き去りにされたばかりか、最愛の息子を殺されてしまう。
グラスはフィッツジェラルドに復讐を果たすため、厳しい冬の寒さに耐え、交戦中の部族の熾烈な襲撃をかわし、約300キロにわたる過酷な旅に出る…。

一切の妥協なし。
九死に一生を得るドラマティックなストーリーながら、余計な脚色は排除され、大自然の中に放り出されたような臨場感に満たされます。
すべて自然光で撮影されたという圧倒的な自然描写や、ディカプリオ、トム・ハーディらの鬼気迫る役者陣の演技まで、ひりつくような映像の連続は、攻撃的とすら感じられました。
大自然は人間に情け容赦なく牙を剥く。瀕死の状態から生きながらえても、寒さ、飢え、襲撃と、常に死と隣り合わせの過酷な状況にアドレナリンが吹き出まくりです。
そして息子の復讐は果たされるのか。

怒濤のラストまで、息もつかせぬ緊張感が張り巡らされた一本です。