こんなに実直に撮られた邦画をひさびさに見た気がする。その実直さは確かに胸を打つし、こみ上げるシーンが何度も。
ひとつだけ。そもそもの話にはなってしまうけれど、やはりこの曲でなければもっと感動したのではないだろうかと思ってしまうのは正直なところだ。こんなにも気取るところなく丁寧に作られている中で、音楽のちからを素直に発揮するシーンには、やはり曲そのものちからがないとどうしても成立しない。なにより、柏木先生が弾くショパンの方が見せ場として優ってしまっているのは、それによることかと。
それにしても桐谷健太はなにしてもおもしろいな。