ハレルヤ

くちびるに歌をのハレルヤのレビュー・感想・評価

くちびるに歌を(2015年製作の映画)
4.1
長崎の五島列島に、臨時の音楽教師として赴任してきた主人公。受け持った合唱部の生徒たちと合唱コンクールへ向かって共に歩んでいくヒューマンドラマ。

王道のドラマだろうなと見る前まで思っていましたが、予想以上に深いテーマを持ったドラマでしたね。全体的にトーンも暗めでちょっと驚きました。

過去の出来事で心に傷を負っている先生と、複雑な家庭事情を持った生徒たち。お互いがそれぞれ過去と現在に向き合い、合唱を通じて共に成長していく過程が良かったですね。

主演のガッキー。序盤からしばらくの間ずっと暗い表情のまま。笑顔が素敵なはずなのに、その最大の長所を封印してるにも関わらず、それでも魅力的なのは反則です笑
そして終盤での笑顔を見ると、やっぱり安心感がありましたね。同じ歳とは思えないわ。笑

中盤までは暗さが先行している物語ですが、その暗さがあるからこそ舞台となっている五島列島の自然の美しさがより一層輝いているように見えましたし、所々でのカメラワークの巧さも素晴らしかった。

そしてラストでは鳥肌ものの感動。ある程度分かってても温かみが胸に染みる終わり方で、心地よく見終われましたね。世代関係なく誰にでも受け入れられる作品でしょう。

青春ものとしても見応えがある流れでしたし、途中ガッキーの存在を少しの間忘れてたほどでした。笑
それほど生徒も1人1人個性的で、ドラマもしっかり作れていたと思います。

アンジェラ・アキの主題歌も本作を見た後なら、また違った印象で聴けそうですね。素直に良い映画でした。
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