ひ

Mr.ホームズ 名探偵最後の事件のひのレビュー・感想・評価

3.4
田舎で暮らす痴呆症一歩手前の老人。彼はかの有名なシャーロック・ホームズその人だった。彼は最後の事件の真実を残すため、終ぞとらなかった筆をとるのだが──

家政婦の息子ロジャーとの交流によって、少しずつ事件の記憶を呼び起こしていく彼。穏やかに進む時間と鮮やかな思い出が結びついていく描写、とても美しかったです。
老いた主人公の映画は以前「手紙は憶えている」を見ていたので、やはりどうしてもものかなしい気持ちに。ただこれはあの映画とは全くの逆で、あちらは「残酷な嘘と真実」でしたが、こちらは「優しい真実と嘘」ですね。
思いやりに思わず涙が出るほど、優しい映画でした。良かった。
ひ