くりふ

アンダー・ザ・スキン 種の捕食のくりふのレビュー・感想・評価

3.0
【スカジョルアー】

スカジョのマッパが実は少ないと聞き、劇場行こうか迷ううち公開終了→DVDで。

原作は未読。映画単体だと『LUCY/ルーシー』に似て、哲学ぶりっこなお笑い映画でした。スカジョの正体がアレならもっと、お笑い増やしてほしかったけどな。わりと退屈。昔、こんなソ連製SF映画見たような…という既視感あったけれど、もちろんタルコフスキーではありません。

内容はヌケない逆ナンAV (笑)。男たちがスカジョを抱こうとするが触れもせず、文字通り沈んでいく感覚は面白い。皆、勃起しないんですよね。あの下降する導線は、ペニスが萎えゆく様にも見えてきます。

逆に、スカジョがファム・ファタール化し君臨、その一瞬が意外や力強い。しかし問題は、肝心のスカジョの素性がサパリわからないこと。この描き方だと私は、彼女がどうなろうが、どうでもよくなりました。

ひょっとして本作、観客に対しても「スカジョという皮」でトラップを仕掛けていて、「皮」に感情移入させようとしたのかな?で、その先に「アンダー・ザ・スカジョスキン」が待っているという。…ラスト、私は大爆笑しましたけどね。

人間の皮とその下を二元論的に分けたがることは、比喩としてならわかります。でもこう直球で実写化すると可笑しいです。日常生活でも、皮って身体の一部だと認識しているから実感わかないし。

目的不明のまま捕獲された男たちは何故「皮だけ」ああなるのかなあ?同じタンパク質なのに。「スカジョルアー」などに引っかかる奴は、実はムケてなかったってこと?

別に男の発情力を狙っているわけじゃないんですよね。わざわざ海辺の事件など、違うとわかる事例を挟んでいるし。…ホントどうでもいいな(笑)。

やっぱり、スカジョの肢体を単純に眺められることが一番、楽しかった。冒頭「お着替え」シーンの生々しさなんて素晴しい!ここがあるからけっこう満足。あの、演出ではどうすることもできない乳揺れ!(笑)

ブラつける時、何故か女子っぽいポーズを取るのも可笑しい。必要ないのにね。

スカジョの行く末をみれば一応、皮とその下、という二元論的ではなく、実は多重人格系にスライドさせたいのか?という気もしましたが、お話としてまるで広がってくれないので、…やっぱりどうでもいいです。

ところで、獲物となる男の一人が、プロテウス症候群だという表記をネットのあちこちで見たけれど、あの病は皮だけで済まない筈だから、本当にそうなら、ちょっと本作にはそぐわない気がします。

<2015.2.26記>
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