拷問シーンを見たくなくて先延ばしにしていたけど、結果、見て良かった。こんな可哀想な歴史がありました、で終わるようなものでは無かった。
司教自身の信仰心が揺らいでいく過程が凄かった…。
前半は、隠れキリシタンへの拷問や、秘密裏に行われる祈り等、教科書で習った隠れキリシタンの歴史だった。でも、その信仰は本物なのか疑うようなシーンや信仰を自分の都合のいいように使う人物が現れる。
あー、そんな人たちもいたかもね。ぐらいに思ってたけど後半からが本当に凄かった…。
そんな人たちと死んでいく人たちを皮切りに司教自身が自分の存在意義とか、信仰を疑っていくっていうのがなんかすごく、残酷だけど、一気にこの映画に引き付けられた。自分のせいで死んでいく人たちと祈っても助けてくれない神…。し、信仰って何なんだろう…。
山を霧が一面に覆うシーンや、波打ち際のシーン(拷問なんだけど…)、奉公所での白い砂の反射とか美しかった。
浅野忠信は口うま愉しおじさんが似合う。
最初、題名の「沈黙」は隠れキリシタンのことだと思ってたけど、まさか神の沈黙とは…。原作も読んでみたい。