Masataka

沈黙ーサイレンスーのMasatakaのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.5
スコセッシ監督が30年近くの構想を経て遠藤周作の「沈黙」を映画化するというのだから否が応でも期待値は高まる。「グッドフェローズ」や「ウルフオブウォールストリート」のような作品に見られる軽妙さや洒脱さは毫もなく、スコセッシの信仰そのものが映画に込められたような重い、重すぎる作りになっている。BGMは最低限で、海や雨の自然音が多く、静謐な印象さえある。
窪塚洋介やイッセー尾形、塚本晋也をはじめ日本人俳優たちの演技も素晴らしかったが、しかし日本人としては、片桐はいりやプロレスの高山、EXILEなどの登場にちょっとにやけてしまう(あと神父の一人がカイロ・レンだと気付いた時も)。
物語のなかで、純朴なキリシタンたちは、奇蹟も救いもないまま無残に拷問され、死んでいく。幕府は伴天連のせいだと言う。神は沈黙している。神は最後まで沈黙したままなのか。スコセッシは神に沈黙を破らせるのか。
Masataka

Masataka