さききち

沈黙ーサイレンスーのさききちのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.0
ようやく観れた。
終始切支丹たちの信仰の深さに胸引き裂かれた…
極私的だけれども、私は長崎出身だ。
生まれ育った長崎の言葉が、慣れ親しんだ分、一層胸にのし掛かってきた。

救いを与えてくれるはずの信教が、逆に苦しみを齎す矛盾。
神は乗り越えられる苦難しか与えられないはずなのに、どんなに厳しい想いをしても苦境に立たされ続ける日々。
どんなに祈っても、どんな想いをしても、沈黙を続ける神。

死ぬまで信仰を貫き通すのか、
生きるために信仰を捨てるのか。

教科書でしか知らなかった事実を
映像で目の当たりにして、
たった300-400年ほど前に
この日本で、長崎で、起きた悲劇を
大きな痛みと共に実感する。

海の畝りの映像と、塚本晋也さん演ずる茂吉の姿が頭から離れない。
さききち

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