このレビューはネタバレを含みます
キチジローに感情移入しながら観賞。
キチジローは、決して神を信じていないという訳ではない。
だからこそ、何度も転び者に成り果てたあと、すぐに(赦し)を求め続けたのだと思う。
自分の弱さや狡さを、恥じたり嘆いたりしたに違いないとも思う。
「神は、自分をどのように見ておられるのか。赦されないのではないのか」という考えに絶望したに違いないと思う。
役人からは嫌悪され、村人からは(卑怯者)と呼ばれるキチジロー。救いが無さすぎ、悲しすぎ。
果たして「神の視点」からはどのように見えていたのだろう。と考えさせられた。
神はキチジローをどう見ておられたのか?
神は殉教者をどう見ておられたのか?
神は役人(迫害者)をどう見ておられたのか?
神の目にはどこか違って見えるのか?
「同じだよ」という声が聞こえたような気がするな。
ラストは、原作とは違ったが、本当に考えさせられる映画(テーマ)でした。
キチジロー役の窪塚洋介。うまいな。
神の「沈黙の声」は、キチジローに届いたのだろうか。届いたと信じたい。神は弱者にも語りかけておられるのだから。