あおい

沈黙ーサイレンスーのあおいのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
3.4
信仰することに、主の赦しがいるのか…

遠藤周作原作、マーティン・スコセッシ監督の切支丹ドラマ。重厚なストーリーで、徐々に盛り上がっていくスロースタートな映画。日本人があまり考えることのない、信仰とは何か?についてがテーマとなっており、我々こそ見る価値がある。

◎ストーリー
17世紀、江戸初期。布教から帰らぬ師フェレイラを追い、ロドリゴとガルペが日本人キチジローの案内の元、日本へ密航する。そこでは、踏み絵に始まる惨憺たる切支丹への迫害が続いており、2人はただ驚愕する。さらに、拷問の理由は司祭にあると言われ、2人も棄教を迫られる…

キリシタン迫害は歴史で習うけども、ここまでまざまざと見せつけられることはなかったので、あまりのグロさにショックを受けた。宗教が複数ある以上、どこの国でも起こっていたであろう出来事やけど、日本で日本人が演じてるの観ると、見え方が変わってくる。

棄教しても命だけは永らえるか、それとも主を信じパライソへ行くか。司祭や教徒の中にも色んな考えがあり、それを利用する幕府の構図が浅ましい。宗教、政治、色んなものが合わさって、一生人々や国々における平安なんてこやんと実感した。

そんな中でも何か拠り所を見つけて生きていく。それの大切さもわかる。

これを見ると変な信仰宗教を信仰することへのバカバカしさも感じた。正統なキリスト教や仏教などが今の地位を保っているのは、起こりから年月が経ったことではあることは間違いない。そんな宗教でも、人が広める限り種々の欲望に利用されてるのに、現代人が作った宗教なんてエゴの塊すぎて嫌になる。

信仰ってなんなんやろうってほんまに思う。長いけど、歴史を知るためには観ておくと良いかも。

感想はこんな感じで、取り敢えずキャストすごい気する。アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライバー、リーアム・ニーソンといった俳優陣に加え、窪塚洋介、イッセー尾形、浅野忠信、加瀬亮、小松菜奈などの日本人キャスト。チョイ役にも有名な人出てておもしろい( ^ω^ )

あとは、何回ほど踏み絵踏むんやっていう窪塚洋介の演技がもはや笑えた。逃げ方とか芸人やし、いつでも横におる無敵感がすごかった。最後は呆気なかったけど。

はたして、ロドリゴは信仰心を失っていたのか?最後まで目が離せません。

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