ノラネコの呑んで観るシネマ

アラビアの女王 愛と宿命の日々のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

2.9
20世紀初頭のイギリスの女性冒険家、ガートルード・ベルの物語。
アラブ世界を探検し、オスマン帝国崩壊後の民族国家樹立にも大きな影響を与えた彼女の人生は非常に興味深い。
だが、映画は残念ながら何を描きたいのか不鮮明で、あまり面白くないんだな。
ペルシャで恋に落ちた男に死なれて、砂漠の旅人になるのは良いのだけど、ラブロマンスがやりたいのか、冒険を描きたいのかどっちつかず。
物語に抑揚がなく、ラクダに乗って歩いてるか、どっかの部族で歓待されてるかのシーンが繰り返されるだけで、正直退屈だ。
彼女の活動も測量して写真撮って日記を書く以外描かれないから、なぜ部族長たちに好まれるのか、なぜ第一次大戦後重要なポジションに就いたのかよく分からない。
描くべき描写は他にあるだろう。
題材は面白そうだけど、アプローチを失敗してる残念な作品だ。