“わたしにはオシャレ過ぎた”系ミュージカル映画。オシャレが過ぎた。どこまでもポップムービー。
可愛くてモテモテ、特別な音楽の才能を持った存在でありながら、メンタル拗れている主人公イヴ。何か、あったんでしょうね、生い立ちに。
ゆるっゆるの療養施設からポーンと抜け出して、音楽活動に燻ってるギタリストのジェームズ(理屈っぽい)と、“平凡”を背負ってる元気なお嬢キャシー(アデル、ブルーは熱い色のアデルにやっぱり似てる。可愛い)、この2人に出会う。そしてバンドやる。しかも良い歌尽くし。あぁ、完璧な青春。
軽やかな音楽と共に瑞々しい一夏の青春が、素敵ロケーションをバックにして、まるでミュージックビデオのように流れていく。
…ほんとに流れていきます。もうちょい重厚感というか、せっかくなら暗さも欲しいのだけれど、それだとオシャレさが霞むのかなぁ。なんだか“拒食症”情報が惜しかった気がする。
歌って踊るメンタル系ってなると、どうしてもクワイエットルーム並みの拗れ具合を求めちゃう。アレがやり過ぎだと知っていながらも笑(欲しがりだなぁ、私ったら)。
カセットを用いたり、必要以上にスマートフォンを映さなかったり。ダンスシーンのレトロファッション極めたダンサー達とか、時代錯誤な感覚を受けつつも、それは本当に心地よかったです。彼女彼らの年齢がハッキリしないあたりも、色々レビュー書いているうちに、もういいやーってなりました。
あーぁ、ワインを飲みながらカヌー(カヤック)でお出掛けだなんて、美し過ぎて眩し過ぎて、羨ましかったよ。ジェームズのなんとも言えない苦いような切ないような感情も、一周回って愛おしかった。
(ファッション、良かったのだけれど、スコットランドってのは夏にセーター着るのかね。じゃぁ何で最初に袖無し着てたのよ。その他、イヴのチラつくプチビッチさは否めず)
メモ。本作の衣装提供にあるTOPSHOP…好きだったのに日本撤退が惜しくて仕方がない。