ひでG

彼の見つめる先にのひでGのレビュー・感想・評価

彼の見つめる先に(2014年製作の映画)
4.0
ゲイや障害といった一見デリケートなテーマを扱っているのに

実に素朴に、自然に、
そして、なんと
瑞々しい印象を与えてくれることか!

青春映画の良作です!

語り口もとても爽やかで、
ゲイとか障害とかも、全然普通のことだよ
って、言ってくれてるみたいな、ところが素晴らしい!

主人公のレオは、盲人てあるが、普通の高校に通っている。

彼には、毎日、家まで送ってくれたり、
プールなど共にすごしてくれる女友達の
ジョヴァンナがいる。

彼女とは「僕はキスもできない一生かな、」なんて、なんでも本音で語り合えるのに、

学校では、いじめに遭うなどして、心を閉ざしているレオ。

家庭では、母親が、仕方ない面もあるだろうけど、
過保護で、レオがパーティに参加することさえ反対し、ちょっとの寄り道へも感情的になってしまう。

こんな家を、こんな町を飛び出して自立したい!

レオは、ジョヴァンナの協力を得ながら、留学のパンフレットを集める。

ある日、レオのクラスにガブリエルがやって来る。

ガブリエルは、レオの障害も全く気にせず、友達になっていく。

最初に書いたけど、ゲイとか障害者とか
関係なしに、この3人の気持ちが
なんとも自然で、微笑ましい。

気持ちの揺れを、細かな行動描写や
何気ないセリフで、丁寧に紡いでいく。

例えば、後半、レオのある気持ちを聴いたジョヴァンナは、持っていた紙コップの中身をそっと捨てる。
そこに、彼女のショックの大きさが表されている。

父親との髭剃りのシーンや、 

レオとガブリエルが映画を観たり、
2人乗りしている場面なども、

とても美しい!


こんなふうに、当たり前にLGBTが若者作品で語られるようになって欲しいな、
ひでG

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