さわら

自由が丘でのさわらのレビュー・感想・評価

自由が丘で(2014年製作の映画)
2.5
「時間には実体がない。だから過去・現在・未来と順番通り辿る必要はないと思うんだ」。
そう劇中で宣言してから始まる、“時間”という不可思議なもののめくるめくダンス。落とした手紙を拾い、ひとつひとつ読むといった体でストーリーが進むから、時系列は前後が無茶苦茶。時間軸をぐにゃぐにゃ捻じ曲げ、その気持ち悪さが嫌になるかと思いきや、思った以上に心地よくてビックリした。加瀬亮演じるモリが酒で飲みつぶれるように、この映画に漂うのはその酩酊感に他ならない。
しかしその酩酊感ゆえか、話がわかったんだかわかってないんだか、すごく微妙な感じ。面白さも微妙。観返さなきゃいけないんだろうけど、そこまでもう1度観ようとは思えないし、なんかお腹いっぱい。街をいったりきたり、過去と未来を、そして恋もいったりきたり。捉えどころがなく、芯がない映画だった(それが魅力?)。はっきりせいや!と若気の至りで思ってしまうこともしばしば。
そもそもズームという手段が好きじゃないのですよ、僕は。カメラの存在を妙に意識しすぎてしまうというか何というか。「ホンサンス節で、そこがいいんじゃない」って言われればそれまでだが、ムムムと僕は思います。
まぁ、初ホンサンスなんで仕方ないかなと思ったり思わなかったりしてます。良ければレビュアー諸氏にオススメ作品を教えていただきたい!ホンサンスの素晴らしさを僕に示しておくれー(割と切実に)。

@シネマート新宿