すごい。戦争を取り上げたフィクションができる限界まで攻めた表現。
小綺麗に漂白された種々の映画とは違う。地べたを這いつくばるような壮絶さが、妥協なしに描写されている。容赦がない。ポエティックなところがない。ひたすら地に足がついていて、美談にすることを一切拒絶している。
低予算だそうだけど、死体の描写やらディテールまで丁寧に作っているのが画面から伝わってくる。
「プライベート・ライアン」が静と動でいう動だとしたら（スケールの大きさも含め）、本作は、静の部分に絞っていて、それが奏功している。ド派手ななにかは一切ないのに、すごく恐ろしい。。
どんなドキュメンタリーよりも敷居が低く、どんな教科書よりも生々しい。
ゾーニングは必要にせよ、義務教育で見せた方がいいのでは…？
もっとも、これでも現実の模倣に過ぎないわけなんだけどね。。
塚本晋也の演技が素晴らしい。冒頭の消え入りそうなか細い声からして心をツカまれる。
森優作は、最後のカットは良かったけど、とはいえ、あまりに棒読み過ぎないか…? 台無し感が強かった。。
