ちゃんしん

野火のちゃんしんのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
4.7
リアリティある描写に驚かされる。

目を背けたくなるようなシーンと追い詰められた時の人間心理の描写のリアリティさにとにかく驚かされる。
それも戦闘シーンの激しさや戦略などの戦争の表面上を題材にしたものではなく、一兵士それも物書きだった主人公目線だから出来る客観的な情景描写と心理描写で、人間の精神的な内面を題材にしていて、戦争の悲惨さ無意味さを浮き彫りにしている。

今までに観た戦争映画の中で、これこそ本当の戦争だろうと思えた作品だ。

一兵士からみた戦争

それが自分にとってあまりにも現実的な感覚に近いのだろうと思うと怖くなってしまった。

戦地から帰ってきた主人公がみせた行動…、トラウマとなって生き続ける姿にその怖さがより深まっていく。
こういう作品こそが反戦映画として評価されるべき。

戦争の愚かさ、人間の弱さや醜さ、生死の儚さを兵士と同じ目線で感じることが出来る。

低予算ながら、なかなか凄い作品だ。

良作。
ちゃんしん

ちゃんしん