戦争、あるいは戦争映画の地獄絵図としては屈指の出来。
どう見ても超低予算。あるいは自主映画という明らかなルックなのに、変に解像度の高いデジタル画面に、人間が踏み込んでいない感じの東南アジアのトロピカルな自然の風景。
そこに行く先々に横たわっている損壊し、腐乱した日本兵の死骸たち。
画面の質感から何から、映っている全てが、まさに太平洋戦争における南方戦線における悲劇の情報量が物凄い。
軍隊内の力関係。補給路を軽視した無謀な侵攻。見えない敵。現地人たちとの関係性。その究極の地獄から問われる人間の尊厳の物語。
90分弱の短い物語の中に、とにかく質感の徹底によって映画は予算ではなく、センスだと確信してしまう。
「プライベート・ライアン」よりも「ランボー 最後の戦場」よりも壮絶で最強の戦争映画。