ルーニーマーラは、幸薄いが芯の強い女性の役がよく似合う。
舞台はアイルランド。カトリック派の多い土地柄にあって、古くからの圧政者であるイギリスの肩を持ち、プロテスタント派である者に対する風当たりは厳しい。
更にカトリック派の方々は、その教えからか禁欲主義で戒律に厳しいようである。
そういう背景が分からないと、このお話には置いてかれてしまう。予備知識は必要。
こうやって、時代や政治、宗教のいざこざに巻き込まれた悲劇って、きっと沢山あるんだろうなぁ。そんな人々や物語に想いを馳せて、この映画でも涙した。
僅かながら幸せだった日々と、受けた酷い仕打ちが交錯しながらまとめられるラストは涙無くしては観られない。
ローズがマイケルの事を思い出しながら「月光」を弾くシーンがとても印象的だった。