きよこ

ゴンドラのきよこのレビュー・感想・評価

ゴンドラ(1987年製作の映画)
4.0
劇場入り口で監督がお出迎え。肉厚の温かい手での握手。超びっくり( ☆∀☆)有名なAV監督であり、会社社長なのに、新作を作りたくて全てを捨てて始動したいとのこと。なかなかクレイジーだ。60になり思い立ち、もっとしたいことをするらしい。なんて夢のある大人(#^.^#)
少女は近所に住んでいる不登校の女の子だったらしい。撮影中も、ずーっとあのツンとした態度だったみたい(笑)



終始台詞は少なく、音楽と映像、沈黙を切り貼りして作られるカオス。時々見える幻想の世界。夢と理想が刷り変わり、現実逃避の旅に駆り出される。感性を研ぎ澄ましてさらに観入る。少女の野太い声が徐々に妖艶な声に感じるのも、隠れた仕掛けなのか。

衝撃的なプールの赤
シャワーシーン
雨に透けたシャツ
田舎の火焚き風呂のシーン

今では規制されて映倫に違反するかもしれないが、ちっともエロくなく、美しく微笑ましく感じたのはなぜか。

バブル時代の無味乾燥な世の中と、田舎の美しい景色が対比されて、優しい青年と少女の旅がすーっと胸に染みる作品に仕上がっている。


一本しか撮ってないとは思えない秀逸な才能だ。次回作が楽しみ。
きよこ

きよこ