アキラナウェイ

アイ・ソー・ザ・ライトのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

アイ・ソー・ザ・ライト(2015年製作の映画)
2.8
僕のイギリス訛り好きが中3娘にも伝染して、彼女はトム・ヒドルストンとベン・ハーディを両脇に据えて1日British Englishを聴きたいと言うまでに成長しました。

そんなトム・ヒドルストンが、完全にイギリス訛りを封印して挑んだ作品がこちら。

カントリー音楽の歴史において最も重要な人物の1人、ハンク・ウィリアムズの自伝。

1940年代のアメリカ。カントリー・ミュージックの新鋭ハンク・ウィリアムズ(トム・ヒドルストン)はその才能を見出され、順風満帆な暮らしぶりであったが、同じステージに立つ妻オードリー(エリザベス・オルセン)は評価されず、次第に夫婦仲に亀裂が生じていく—— 。

前述した様に、トム・ヒドルストンのアメリカン・アクセントに驚きつつ、その歌唱力にも驚かされる。

ファルセット(裏声)を多用しつつ、ビブラートで震わせる歌声には魅了される。

イーサン・ホークがチャット・ベイカーを演じた「ブルーに生まれついて」の如く、音楽的に天才と呼ばれた人達が決まって堕ちる罠。

酒と女に溺れてしまう天才。
ハンクの終盤のクズっぷりが凄い。

トム・ヒドルストンとエリザベス・オルセンという、今やMCUシリーズで推しも推されぬ人気を博した2人が息の合った演技を魅せる。

しかし基が伝記モノなので、淡々と年代を追うだけのストーリーラインは、物語の起伏も弱く、個人的には少々退屈。

オードリーと離婚した後、二股掛けていたのがバレた時の修羅場が1番テンションが上がった瞬間かも…と思ったけど、そこが見せ場でどうするよ?

29歳という若さでこの世を去った、稀代のカントリー・ミュージシャン。余程のカントリー通でないと、この作品はなかなか楽しめないかも。

キャストだけに惹かれて観るスタイルだと、途中厳しそう。