ベルベー

ザ・マミー/呪われた砂漠の王女のベルベーのレビュー・感想・評価

2.3
ハムナプトラ見たくなってきた!!!!← いや、ハムナプトラの方がほぼ全ての要素で勝ってるからなあ…。金色の砂漠っていうイメージカラーが鮮烈だった前作との対比で、水銀に代表されるように、銀色めいた世界観にしたのは正解。

ただ、それ以外がね…。まず、17年前の映画に映像体験として負けているのはどうかと思う。砂嵐が襲う描写も、ミイラが襲ってくる恐怖シーンも、過去作の方が上。CG技術は進歩しているはずなのに、見せ方に面白味がないので、既視感ばかり先に立ってしまう。ミイラの出し方も、音ばっかりデカくして虚仮威しが目立つ。しかも何度も同じような手を使うので、ビビるのは前半だけ。後半は音のデカさにうんざり笑。

せっかくのソフィア・ブテラを活用し切れてないのも大きな課題点。キャラクター自体、イモホテップやアナクスナムンの二番煎じでパンチに欠けるのだけど、ビジュアルが…「スーサイド・スクワッド」のエンチャントレスと丸かぶり…。ゾンビみたいな兵使役するけど、やつらが紙耐久なせいで結局孤軍奮闘するとことか、大事なとこはマッチョマン頼りで計画立ててるとことか、共通点やたら多くない?世紀の失敗作と被ってる点多いって、それだけでマイナスな印象笑。つか、十字軍騎士なんで使役されてんだよ…アイツから世界守るんじゃないのかよ…死者は操られるっていう理屈を理解しつつ、自分の死後のこと全く考えずにウカウカミイラ化してる騎士達のヘッポコ具合にビビります。

あとは、この作品をユニバース第一弾と位置付けました!ドヤァって設定と展開が多すぎて、単体として楽しめる作りをそもそも目指してなさそうなのがよろしくない。DCですら、「マン・オブ・スティール」は単品でしっかり作っていたのに。「プロディジウム」ってなんやねん。この「プロディジウム」のせいで、どうやってミイラに勝つんだ!っていうサスペンス感が大幅に減退している上 に 、 見ていて心配になるくらい雑なんだこの組織笑。

まず、ハイド氏になるリスク背負ってるジキル博士がトップに立ってるのが不思議だし、そんなハイリスクリーダーの弱点は周知徹底させとけよ!笑 せっかく捕まえたアマネットの拘束も雑。せめて別室で隔離だろ…「ライフ」に出てくるクルーの衛生観念見習えよ。案の定虫に侵入され、いとも簡単に脱出される正義の組織…。大丈夫か、大丈夫なのかこいつら。これから先、ドラキュラや透明人間と戦えるのか不安になるのは勿論、よく今までモンスターと渡り合ってきたなと呆れたぞ。てか現代ベースで、なんであんな基地がショボいんすか。30年代かよ…。

あと、これ言ったら元も子もないですが、トム・クルーズ主演に据えたのは明らかな大ミス。ハリウッドが誇る最強ヒーローだからね?どんなに怖いミイラと戦ったって、「どうせ勝てるだろ」感が凄まじくて、ハラハラも何もあったもんじゃない。それを無理に凡人ぽく演じているので、トムクルお前もっとできるだろ!!てなる笑 ミイラに立ち向かうのは、ブレンダン・フレイザーみたいに、2枚目だけどお前で本当に大丈夫か…?くらいじゃなきゃ笑 世界何回も救ってる男だからね…結局予定調和だとしても、見てる間の臨場感がないのは致命的。しかも、味方にラッセル・クロウまでいるときた。アマネットに勝ち目が見えなさすぎて、判官贔屓してしまうレベルです笑

うっわー…な終盤の衝撃の展開といい、滑りまくるギャグといい、やったらダメなポイント全部踏んでったダメダメ映画。まあ、「ハムナプトラ」の何が面白かったのかを、今一度考える良いきっかけにはなりました。あとユニバース仕切り直した「透明人間」は普通に面白いです。
ベルベー

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