8さん

さよなら、人類の8さんのレビュー・感想・評価

さよなら、人類(2014年製作の映画)
3.6
面白グッズを売り歩く冴えないセールスマンコンビが目撃する様々な人々の人生を独特の世界観で描いた作品。

なかなか買い手の見つからない面白グッズを売り歩く冴えないセールスマンコンビのサムとヨナタン。大きな鞄から出されるシュールな商品の数々は、今作に出てくるキャストの様に哀しくも可笑しいものばかり。

ワインを開けようとして心臓発作で死ぬ夫に気づかない妻、天国に持って行くために宝石の入った鞄を絶対に離さない老婆など全て白塗りの顔で静かに物語は進行していく。

まるで絵画や写真の様に計算され尽くされたであろう配置や構図に、お洒落感さえ感じ、あるシーンでは沢山のキャストが歌い動き回る。有名美術館に貯蔵された有名画家の絵画のひとコマから連想して作られた動画の様にも見える。

全てが描きこまれた様な、ロイ・アンダーソンマジックというべき独特な世界観と構図美は、不思議な感覚をもたらせてくれました。

映画を観るというよりも、美術館に絵画を観に来た感覚で観るのがいいでしょうね。

他者の感想が非常に気になる(第一声と表情)作品のひとつです。
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