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さよなら、人類の遊のレビュー・感想・評価

さよなら、人類(2014年製作の映画)
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シュールで難解と言われてたので身構えてたけど、かなり観やすかった もちろんぜんぶ理解したわけではない

ひとつひとつのシーンはお笑いとしてシンプルに面白い、カウリスマキが分かりやすく笑い取りに来てるみたいなオフビートおふざけがずっと続く
北欧の作品だし、とにかく寒くて貧しくて絶望的な生活を当たり前として生きている人々が主役と考えるとカウリスマキ作品にかなり近い

でも全体を通して「なんの映画」かはムズい、
ひとつ思うのは もしかしたらこれは「絶望そのものを笑っている」のであって「絶望の中にあるユーモア」ではないのではないか

カウリスマキは後者だから 最後はほのかに人生讃歌へ帰結して優しい余韻を残すけど
たとえばこの映画の「ダンス教室で若い青年の身体を不自然に触るおばさん講師」は見ててめちゃくちゃ笑えるけどこれはただの「ハラスメント」で「人間の地獄部分」でしかない、そういう「人間が本質的にもつ"終わってる部分"」をカワイイ音楽にのせてオフビートなお笑いにしてるのだとしたら怖すぎる そう思ってたら最後モロにエグい負の歴史シーン出てきたし 「さよなら、人類」のタイトルも怖い そもそもなんでみんな白塗りなんだよ
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