けまろう

デスペア 光明への旅のけまろうのネタバレレビュー・内容・結末

デスペア 光明への旅(1977年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

『デスペア 光明への旅』鑑賞。コメディーなのかサイコロジーなのかよくわからない作品。あらすじをざっくり書くと、ものすごく杜撰な保険金殺人を企む男の話。主人公が自身に似ていると考えたホームレスを身代わりに殺し、自分にかけた保険金を受け取ろうとする。ただ、第三者的な視点から観ると明らかに似ていないため、思わずくすぐったくなるような喜劇的要素も含んでいる。
これも『13回の新月のあるが年に』と同様、自己認識・アイデンティティにまつわる話ではないだろうか。自己による自己認知と他者による自己認知の致命的なずれを、コメディータッチで描いた作品のようにも感じる。主人公は妻とセックス中に、第三者的自意識を発現する(んだよね?)が、その勘違いが致命的な絶望へと繋がっていく。
男とは得てして「豹変」「狼」という言い回しがあるように、情事の最中は自己意識とかけ離れることが多々ある。主人公は豹変したまま解けなかったのか、そう考えるとあの巨乳の奥さんは愚かながらも主人公を手玉に取ってたってことか。
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