Hiro

わたしに会うまでの1600キロのHiroのレビュー・感想・評価

3.6
「私に会うまでの1600キロ/ Wild」
最愛の人を亡くし、生きる意味をなくし、自分を見失っても、人間は歩くことが出来る。それがただの行為であったとしても、前に進むことができる。

彼女が歩いて、歩いて、歩いたその先に見つけたものは、「自分の存在価値」というとてもありふれたものだったかもしれないけれど、それを本当に心から感じられる人は果たしてどれくらいいるのでしょうか。

人の流れではなく、自然という途轍もない大きな流れの中に身を置くことで、自分と向き合い、世界と向き合う。本当の意味での孤独を彼女は知ったからこそ、立ち直ることができたのかもしれません。

長い道のりを描く映画なのに退屈しなかったのは、回想シーンとのバランスがとても良かったからだと思います。それと音楽と音響が素晴らしかった。少しの物音にさえ怯えてしまうシーンや、自分の心臓の音だけが鳴り響くシーンとか、映画館で見たらもっと臨場感を体感できたに違いありません。

私にはとてもこんなに過酷なことは出来ないし、月並みだけれど自分を見つめ直す、向き合うってとても勇気がいることだなぁと改めて感じました。あと旅に出たくなりますすごく。
Hiro

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