rosechocolat

わたしに会うまでの1600キロのrosechocolatのレビュー・感想・評価

4.3
さすがにこの邦題はどうかと思う。何でもかんでもマイル数出せばいいってもんじゃないけど、数字出すとイメージ湧きやすいからなのかもしれない。それにしても、やっぱりここは"Wild"では?

『奇跡の2000マイル』も観てるけど、こういう挑戦型のロードムービーには、その動機に必ずと言っていいくらい主人公のトラウマがある。そのエピソードの入れ方が上手かった。しつこくなく、わざとらしくなく、それでいて本筋から離れずに必要な情報を入れるのは難しい。そのバランスが良い。旅の途中で会う人々のエピソードの入れ方も、やたらずっしりさせないのがよい。

シェリルの心の闇の深さ、ここに共鳴できればこの作品はかなり入ってくると思う。なので旅メインとは思わない方がいい。人が抱えている問題の答えを出すには、時には根底から自分を変えないといけない。
大概の人はそれを実行していないはずで、シェリルのように勇気ある決断をした人のことはあれこれ言えるけど、では自分は?と問いかけてみてもいいかもしれない。そう思わせてくれる作品。
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