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キャロルのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

キャロル(2015年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

物語の筋は二人の女性の関係の変遷を描いたものでとてもシンプル。
デパートで定員と客として出会い、徐々に親密になっていき結ばれてから別れ、その後もう一度出会い二人の関係性は・・・というもの。

この映画においては女性同士のカップルが相思相愛を確認する場において必ず男(社会)が第三者として介入し、関係を壊そうとする。(冒頭のレストランのシーンにおける男、キャロルの家に招かれたシーンにおけるキャロルの夫、そしてホテルの盗聴をした男。)
だからこそ女性が自分の心情を素直に吐露する場は女性しかいない場に限られていた。

つまり、人間関係を比喩的に配置しながら、1950年代の社会状況を描いてもいるという巧みさがあった。

しかしなんと視線が雄弁たる映画だったろうか。上記のレストランのシーンでテレーズの肩にキャロルと男が手をそれぞれ置くが、テレーズが見るのはキャロルの手だけ。家に向かう車の場面で交錯する視線(そして不意に唇で止まるカット)。そして鏡越しに見つめあう場面。水面下にある欲望の表現としても、映画の表現としても目を見張るものがあった。
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