成田007

キングスマンの成田007のレビュー・感想・評価

キングスマン(2015年製作の映画)
4.8
昔ながらのスパイ映画のようでありながら、現代版スパイ映画にちゃんと仕上がっている最高にスタイリッシュな私の思う今年一の映画。2015年もあと一週間を切りました。今年の映画を振り返ってみると、本当にスパイ映画が豊作だった。007、MiのシリーズやUNCLE、そしてキングスマンといいものばかりだった。その中でもキングスマンは私の理想のスパイ映画、そのものであった。

スーツが似合う魅力的なスパイ。奇想天外な武器。大きな野望を持つ個性的な敵。そして、アジトと作業姿の工作員。敵組織に忍び込み、超人的なアクションをみせ、野望を阻止する。初期の007や1970年代のスパイ映画はそれが定番だった。しかし、冷戦が終わり、世界がどんどんグローバルになり、インターネットが普及するにつれ、スパイは時代遅れになってきた。現代のスパイ映画は、昔よりもCGとリアルを織り混ぜたド派手なアクションにはなったが、ストーリーは複雑になっていたと思う。個人的には1970年代のロジャー・ムーアが演じた007のような楽しく見られるスパイ映画が見たかった。

今作はそんな願望を叶えてくれた映画であった。コリン・フォースはスーツ姿が最高に格好いい、一流スパイを演じ。サミュエル・L・ジャクソンは大きな野望を持つ個性的な敵を演じている。ふたりが対峙するシーンは、どれも凄みがあって見ごたえがある。銃や防弾にも使える万能傘や007の『ロシアより愛をこめて』で登場した毒ナイフ内臓の靴など様々な武器も出てきて、好奇心をくすぐってくれる。敵組織に忍び込み、キレッキレのアクションの連続。そして、紳士のこだわりの数々。

この映画は懐かしいスパイ映画でありながら、主人公エグジーの紳士になっていく成長物語でもある。キックアスやX-menで見せたように監督マシュー・ヴォーンは本当に人物の成長を描くのが上手い。不遇な若者が、一人前のスパイになるために様々な訓練を行うシーンがあるからこそ、ラストの大活躍とスーツ姿が最高に格好いい。

単なる007のオマージュ映画でもなく、時代を1970年代を戻すこともせず、現代版王道スパイ映画で最高に格好よく、面白い。次回作の制作も決まり、今から楽しみである。