『ゴジラxコング』への予習として見ました。モンスターバース最高傑作!!と毎回言っている気がするが、怪獣好きとしては高評価をつけざるをえない。モスラ・ラドン・キングギドラと往年の東宝怪獣たちがハリウッドの最新のVFXで蘇るだけで涙が止まらない。もはやこのレビューは映画単体に向けられたものではなく、これまでの日本特撮史あるいは怪獣それ自体に向けられたものであり、この映画は怪獣への想いを増幅させる装置のようなものであった。良く知っている怪獣だけではなく、「うわッなんだこいつら」と思うようなオリジナル怪獣もちょっとだけ出てきたり、あるいはモニター画面で富士山にヤマタノオロチがいることが示されていたり、しっかりと東宝怪獣一本足打法ではない世界観の拡張に成功している。キングギドラが十字架と重ね合わされるシーンがあるが、もはやこの映画はゴジラとギドラの宗教戦争を描いており、怪獣は厄災であると同時に福音をもたらすものであるされる。それゆえ、ところどころの怪獣のショットが構図や演出を含めとにかくカッコよく、大好きな映画である。芹沢博士の扱いにだけ少し疑問を感じたがまあ些細なところである。
