チブ夫

ゴジラ キング・オブ・モンスターズのチブ夫のレビュー・感想・評価

3.9
多くの人が苦言を呈しそうな、呆れるほどに利己的な人間像はまさしく負の遺産を生み出し続けてきた人類のメタファーであるが故に、その一連だけを見て映画全体を批判するのはあまりにも見当違いと言える。
日本製ゴジラとは世界線もバックグラウンドも異なるので、たとえオキシジェンデストロイヤーの用法が違っていたって良いと思う。注目すべきは、かつてゴジラを葬り去るために海へ沈んでいった芹沢博士をモデルとしたドクターセリザワが、ゴジラをヒーロー格とする今作では一体何を成し遂げるのか。壊れた懐中時計が指し示す時刻と合わせて必見。
またモスラ、ラドンは日本製ゴジラの中でも時には相対し、時には共闘してきた重要な存在であったため、今作における立場と振舞いも大きな見所だった。個人的にはゴジラvsメカゴジラの時のアレをラドンさんには期待していたものの、さすがにそうはならなかった。

エンディングシーン、エンドロールBGM、そしてポストクレジットシーンにまでもワクワクが詰まっているので、くれぐれも最後までお席を離れぬよう。
チブ夫

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