8骨8

ゴジラ キング・オブ・モンスターズの8骨8のレビュー・感想・評価

4.0
怪獣がいっぱいでてきてギャオギャオ鳴いてしばきあってるだけで楽しいから、おまけで4点をあげよう。
でも、冷静に見たらこれ3点だぞたぶん。
おもしろいと言う人の気持ちはおおいにわかる、私も巨大怪獣が大好きなので。でも、つまらないという人の気持ちもわかる、私も怪獣が暴れられたら普通に困る側の一般人なので。

怪獣はいい。ゴジラも、キングギドラも、モスラも、ラドンも、いい感じに大暴れしてくれてて愉快。どの怪獣も目覚めるだけでものすごい大事になって、目覚めのひと暴れだけで軽く街を蹂躙してくれていて実にカッコイイ。

ただ、人間がちょっとだめなんじゃないかな?
まともな奴が少なすぎるだろさすがに。描かれてる範囲にいる人間があまりにも怪獣の肩を持ち過ぎ。怪獣大好き人間しかいねぇんだもん。
しかも、最初は怪獣こわいし、止めたほうがいいって言ってたまとも側の人間もどんどん怪獣大好き教に入信していって、最終的に怪獣がほぼ神様みたいな扱いになっていって、最後に至っては「怪獣の王様が誕生しましたー!!!パチパチパチ」みたいな異常なテンションになってしまってたので。
これ、直接的に描かれてるシーンは少ないからそう感じさせないだけだけど、どう考えても数千万人クラスで人が死んでるんだぜ?キングギドラ倒せた!やったー!で済む話じゃないよ。しかも、そのキングギドラの騒ぎを起こしたエマさんは、「人類は地球の寄生虫!滅べとは言わないけど、いっぱい死ね!!」っていう、どう考えても普通の映画なら悪役キチガイ博士なはずなのに、最後なんかヒーローみたいになっちゃってるんだよね。明らかにそんなに簡単に贖罪が済んじゃいけないキャラクターでしょこの人。家族との絆云々の場合じゃないよ全然。マークもこの奥さんのムーブはさすがに酷すぎるからもっと責めていいでしょ。だって、この世界この後どうすんの?巨大生物が放たれたままだぜ?共存するとか言ってるけど、本当にそんなことできんのかって話。
とにかく、怪獣を迎えに行きすぎなのよこの映画。
怪獣好きなのはわかるけど、やっぱり怪獣はあくまで人類にとって大きな脅威な訳だから、もうちょっと抵抗しないとねぇ。

そして、これはもしかしたら個人的な考え方の問題かもしれないんだが、怪獣がかっこいいとは言ったけど、怪獣、特にこの映画に登場する怪獣ほど巨大な存在が、特殊な音波を発する機械を持ってるとはいえ、人間一人だの車一台だのに気を取られてそっちを注視して追いかけたりしないでほしい。カッコ悪い。シン・ゴジラのように、人間がどう動こうが意にも介さずガン無視で何もかも踏みつぶしてほしい。

ゴジラシリーズに強い思い入れはないので、芹沢博士の扱いに関してはそんなに悪くないんじゃないかなと思ったかな。いろんな論点で論争を呼ぶつくりなのは間違いじゃないけど、これはこれでいいとできる範囲であると思う。というか、ゴジラを原水爆の象徴として、芹沢博士の命を賭してゴジラを生かすか、殺すか、という鏡合わせのような視点の違いを日本産とアメリカ産でみられたのはおもしろいんじゃないかなと思った。原水爆は確かに非道な兵器だが、ゴジラと同じく、道具は使いようだというアメリカの考え方もわかる。
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