コミヤ

ババドック 暗闇の魔物のコミヤのレビュー・感想・評価

ババドック 暗闇の魔物(2014年製作の映画)
4.4
海外で絶賛されたオーストラリア産ホラー映画。

呪いの絵本×ゴーストハウス×エクソシスト×親子愛!

夫を亡くしたシングルマザーのアメリアは息子と2人暮し。ある日息子を寝かしつける為に見覚えのない絵本を読み聞かせると後日息子の様子がおかしくなる。

不安定な母親、制御不能な息子、かなり食い気味の編集に不気味な音などによって気持ちを休める間も無く終始居心地悪い気分にさせられる(褒めてます)
それが最高潮に達する親子対ババドックの終盤戦、かなり怖いけど思わず笑っちゃうようなシーンもあるし(ごく一部)、最後は普通に感動できてとにかくてんこ盛り。死霊館のラスト並みに作品のテンションも凄い。

演出もなかなか斬新だった。超早送りで夜から朝にしたり、母親が眠りにつくシーンではスローモーションで上から彼女がベットに落ちることで表現したりするところとか(説明が難しい!)

主演の2人も最高に良かった。
女性監督だからこそ描ける説得力のあるシングルマザー像。作品内でまるで別人になりきるなど演技力が素晴らしい。
息子のサミュエル君も演技力もキャラクター最高。全体的には可愛いんだけど叫んでる時や憑依された時の表情が物凄く怖かった。また手品をやるシーンが超絶可愛い。
終盤一瞬だけゴーストハウス版ホームアローンみたいになってサミュエル君が手品や手作り秘密兵器を駆使して大活躍するのが本作個人的ベストシーン!ここは声を出して笑った笑

ババドックの絵本に「let me in」という台詞があるけれど本作のテーマは文字通り「受け入れる」ということだと思う。息子の全て、夫の死、そして…
ラストもまた斬新 笑
母親の成長の物語としてもちゃんと感動できる。

ラストの母親のなんとも言えない表情が良かった。

ババドックの造形、質感、動き、声どれもいい。死霊館のへそ曲がり男を思い出した。

傑作じゃないでしょうか⁈
コミヤ

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