猫田

名もなき塀の中の王の猫田のレビュー・感想・評価

名もなき塀の中の王(2013年製作の映画)
3.8
ラストのあの一言で、すべてが浄化されたような気分。刑務所内での囚人たちの姿がすごく生々しい。どの映画で見る刑務所もだいたい同じような雰囲気なんで、海外の刑務所ってあんな感じなんだろうな。刑務所内での粗暴な少年の心の成長を描く中で、荒々しさの中に繊細な心の動きが見え隠れする。あんな場所で再会をはたす不器用すぎる父親と息子のやりとりには、見てるこっちがヤキモキさせられるのに、それがまたイイ。息子への接し方が分からずにいる父親の姿が滑稽にも見えるんだけど、その心の葛藤みたいなものが透けて見えてくるようで何とも言えない気持ちにもなる。それを越えてのラストだから、余計に胸にきたのかもしれない
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