えんさん

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスのえんさんのレビュー・感想・評価

3.5
3Dの字幕版にて。

ピーター・クイル率いるガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは凶暴なアライグマのロケット、マッチョな巨漢のドラックス、ツンデレ暗殺者のガモーラとチーム一のスモールであるグルートで構成されていた。ある日、彼らは小遣い稼ぎの目的で侵入した”黄金の惑星”の艦隊から逆に猛攻撃を受ける羽目になり、彼らの宇宙船ミラノ号は壊滅寸前に。そこに“ピーターの父親”を名乗る謎の男エゴが現れ、彼らの危機を救うが……。銀河を守るヒーローチームの活躍を描いたマーベル・コミック原作のSFアクション続編。監督は前作に引き続き、ジェームズ・ガンがメガホンを取っています。

マーヴェルのアメコミヒーロー物であり、一応アベンジャーズシリーズとも絡んでいるんですが、日本人にはちとその関わりが分かりにくく、本作だけで独立した作品のように捉えられているシリーズの続編。前作同様に、SFアクションモノでありながらも、コメディの要素もあり、サウンドトラックが楽しい音楽ものの要素もあるんですが、観た感じが「ミュータント・タートルズ」の続編である、「ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影<シャドウズ>」を観たときと同じような感覚に襲われました。確かに見ているうちは楽しんだけど、前作と何が変わっているのかがイマイチ分かりづらいのです。もちろん、このシリーズは「ミュータント・タートルズ」とは違って、前作は”ガーディアン・オブ・ギャラクシー”の結成の要素があり、物語の核としては”スター”であるピーター・クイルが如何に宇宙海賊になっていったかという旅立ちを描く部分もあり、続編の本作はそれの発展系にあるのは分かります。それでもクイルは今度は父親エゴの存在に悩むし、ロケットはグイルと漫才コンビだし、ドラックスは相も変わらず間が抜けているし、ガモーラはやはり育ってきた環境のドグマを抜けきれない、、、結局物語の根本が、どのキャラクターも前作から抜け出せていないように思えてきて、続編としての新しい楽しさにやや欠けるのです。

それでも楽しいのは前作以上になったSFアクションの部分。本作は3Dで鑑賞したのですが、特にエゴの惑星での摩訶不思議な現象であったり、立て続けにどこまでも追いかけてくる”黄金の艦隊”であったりと、映像的にも楽しめる部分はたくさんあります。でも、ベースがコメディ調である分、どこか演出に安っぽさが残ってしまうのも然りな部分。唯一救いなのは、前作で文字通りの木っ端微塵になり、本作では可愛いスモールで登場したグルートでしょうか。彼のキュートさがあるので、ロケットとの掛け合いも面白く、いささか観れる作品になっているかと思います。作品としては楽しいところ満載なので、次作では物語としても成長してくれているところを見せて欲しいなと思います。