OASIS

隣人-The Neighbors-のOASISのレビュー・感想・評価

隣人-The Neighbors-(2012年製作の映画)
3.0
団地に住む少女が塾帰りに誘拐されバラバラに殺害された。娘の死に大きなショックを受けた母親は、毎日死んだ筈の娘が帰ってくる幻覚を見るようになり、それを機に連続殺人が起こり今度は殺された娘と瓜二つの少女が狙われるという話。

キム・ユンジン主演のサスペンス・スリラー。
実話を基にした話ではないらしいが、隣人達を怪訝な顔で見つめながらもなるべく厄介な事には踏み込みたく無いといった団地に住む人達特有の集団心理というものがねちっこく描かれていたと思う。

キム・セロンが一人二役をこなし、キム・ソンギュン(ファイのパパさんや悪いやつらでお馴染み)が犯人役、マ・ドンソクがチンピラの金貸しとなかなか濃いメンツが揃っているものの、真犯人がはじめから分かっている状態なのでどんでん返しに期待していると今ひとつといった印象だった。

団地の警備員が殺され、その同僚がいかにも怪しそうな男を疑っているにも関わらず通報しないのを見て疑問に思ったが、その同僚にも実は警察に見つかると困る隠し事があってという展開にゾクッとしたものの、主人公が血塗れの廊下を掃除してる男を見た時点で怪しんでいたらもっと解決は早かったんじゃないかと思ったりもした。
巻き込まれたくなくて見て見ぬ振りを決め込むのも分かるが。

娘の幻覚に悩まされ、悔やみ、そしてそれに再び向き合う瞬間には、継母としてなかなか距離を縮められない母と「お母さん」と本当は呼びたかった少女との想いが絡み合いキム・セロンの抜群の演技力もあってそのたどたどしさが表現され感動的だった。

カササギの仕業による停電の起き方が偶然過ぎたり、人間同士の怖さというよりかはオカルト的な恐怖がそれよりも前に出てきてしまったりと、韓国で大ヒットしたわりには期待外れだった感があるが、キム・ソンギュンの半端ない顔面力が目に焼きつきジメジメとした恐怖を感じる映画でした。
自分なら、あんな類稀な眼力を持つ怪しい顔の隣人が居たら何は無くとも即刻通報するけどね・・・。
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