15年後の世界にタイムスリップした女性（田中こずえ）が、未来の近親者たちに遭遇してしまう。タイムスプリッターのエッチな冒険譚を描いている、日活ロマンポルノ。滝田監督が日活スタジオで初仕事している。
第2次関東大震災によりディストピア化した「TOKYO2001」が舞台。近未来をテーマにした舞台セットが有り物で作られており、低予算のレトロ・フィーチャーを堪能することができる。総じて、星新一ショートショートのエロバージョンという印象。
助演では、ヒロインを庇護する私立探偵役を螢雪次朗が好演。探偵を尻に敷く恐妻が、田中こずえの一人二役であり、鑑賞者に向けて先に開示される論法になっている。そして、ふたりのヒロインのニアミス描写に「映画の妙」が詰まっている。
濡れ場では、転送装置のガラスにパイオツを押し付けるショットが芸術的。田中こずえの、雪を欺くほどの美白にも惹き付けられる。いわば、衰退期ロマンポルノと独立系ピンクの化学合成によって生まれた逸品。
