OASIS

ポイントブランク 標的にされた男のOASISのレビュー・感想・評価

3.5
殺人事件の容疑者に仕立て上げられた元傭兵と、誘拐された妻を助けようとする医師、そして2人を追う刑事や犯罪組織などが入り乱れるアクション映画。

フレッド・カヴァイエ監督の「この愛のために撃て」を韓国映画独自のテイストでリメイクした本作。
元が良作なんだから、下手に悪改変しなければそれは面白いに決まってる。
巻き込まれ型サスペンス→復讐アクションへと変貌を遂げ、時間も15分ほど増えて各キャラクターに感情移入要素をプラス。

リュ・スンリョン演じる元傭兵がめちゃくちゃ強いのだが、オリジナルには彼に弟が居たんだったかな?
そこは忘れてしまったが、その弟の存在が彼が戦う理由になっているし、イ・ジヌク(「怪しい彼女」のマネージャー役の人)演じる医師も非力ながら怪しい妻を助ける為に奔走し、お互いが目的の為に手を組み共闘する展開は「孤独な男が一人立ち向かう」という話とは一寸違う。

警察汚職ものは韓国映画の十八番だが、あそこまであからさまに悪役然とした人が出て来たのでは「またかよ...。」と思ってしまう。
警察だけでも結構な人数が登場するし、追う者をさらに追う者、追われる者をさらに追う者とやけにキャラクターが多いのだが、巧く捌いているのか全く混乱する事が無く見れた。

大作感が出て派手な場面が増えたのは良かったが、車爆破からの警察署に真正面から突っ込むとかは大味な感じがした。
スタイリッシュでも何でもなく、ただの力押しじゃないか...。
しかし、おっさん同士の奇妙な友情という「らしさ」は受け継いでいたので、そこを忘れずに入れてくれた所は「わかってるなぁ」と思わざるをえなかった。

ボス役のユ・ジョンサンがウッチャンナンチャンの内村にそっくりで、ニヤニヤ笑ったり主人公をおちょくったりする度にウッチャンの顔が過ぎって笑いそうになった。
あの、人を否が応でも苛々させる演技は最高だし、良い顔の役者であった。
ただ、最後のアレは蛇足だろうと思う。

@シネ・リーブル梅田
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