このレビューはネタバレを含みます
最後の奥田瑛二さんが産まれたての息子に言う、「ありがとう、生まれて来てくれて、ありがとう」。
その直後に流れ始める、主題歌HARUHIの歌う『ひずみ』のメロディ。
このエンディングで結びたいが為の、奥田さんの下手にみせていた演技、お母さん役の原田美枝子さんが語る「ありがとう」フレーズ、ヒロイン・宮崎あおいさんの「あなたに会えて良かった」などなど。
とてもシンプルに生と死と、生きる事、生きた証とは、を問うた作品だった。
ただ、泣かせようとする唐突感とテクニックに走ったところが見えてしまうところが、残念ながら作品の根底にあるだけに、はい、このエンディングを見せたいが為に、ここまで来たのね、と冷めて見えてしまった感。
確かに、あのエンディングは歌のチカラを大いに借りた、昔で言ったら、サントラが欲しくなる、体の見せ場だった。が、あれが無ければ、全編通して、記憶に残るシーンは、ほぼ無い。ブラジルにしても、あの滝にしても、あそこである必然性は、全く無い。なんで、多分、評価は2.3くらいだった。
そう考えると、エンディングと主題歌とは如何に大切か。1.2も持ち上げられるだけのチカラが備わっている訳だ。あぁ、勉強になった。