ASHITAKAAkino

ベルファスト71のASHITAKAAkinoのネタバレレビュー・内容・結末

ベルファスト71(2014年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

前線にいたのはアイルランド人さ イギリス人は腰抜けだ

2023年映画8本目

ケネス・ブラナーの望郷的な『Belfast』でも描かれたあのベルファストの71年を舞台にした本作。あっちがぬるく見えるくらいこっちのベルファストは暴力的。
20分過ぎに唐突に放たれる銃声と、少年を飲み込む爆発など、アクションとスリラーが暗い画面上にバランスよく展開されていく。『Dunkrik』よりも早く市街地を逃げ惑う画を撮り、政治的なことに関する説明は最小限に(カトリックとプロテスタント仲悪いよ的な説明はあった)、そして繊細で優しかった兵隊にどのような変化がもたらされたのか。
殺しじゃない戦争だ、とはよく言ったものである。紛争、戦争。変わるために戦うのではなく、戦いが変化を誘発させる、変化を余儀なくさせる。帰宅時間に文句を言われても何も言わなかった彼が短気で粗暴な振る舞いを見せる。彼を変化させたのは、国か宗教か人か時代か。ラストの田舎町、医者の娘と故郷を言い合うこと、デヴィッドボウイもさらっと出すのも良かったです。
バリーコーガンの視点をもう30分くらい観たかった、と思うのは自分だけではないはず。
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