けーな

ベルファスト71のけーなのレビュー・感想・評価

ベルファスト71(2014年製作の映画)
3.8
先日、「名もなき塀の中の王」を観たばかりで、続けてジャック・オコンネル主演作を観た。ジャック・オコンネル、体当たりの役が、ほんと巧い。

一昨年、ケネス・ブラナーがメガホンを取った映画「ベルファスト」と同様に、北アイルランドの首都ベルファストで勃発した北アイルランド紛争の壮絶な様子を描いた物語。

北アイルランド紛争のことを把握するのは難しい。アイルランドの統一を目指すカトリック系住民と、イギリスとの連合維持を望むプロテスタント系住民との間での争いに、さらに、IRA(アイルランド共和軍)などの過激派集団が加わり、暴徒化した。

ケネス・ブラナーの「ベルファスト」では、プロテスタント系住民の家族、中でも、その幼い息子から見た紛争の様子であったけれども、今作では、北アイルランド紛争に助っ人として参入したイギリス軍の1兵士が主役で描かれており、違った目線から見ることができて、興味深かった。

今作は、ジャック・オコンネル演じる新兵のゲイリーが、イギリス軍に敵対するカトリック系の地区で、暴徒化した住民の騒ぎに巻き込まれて、襲われ、そこに、1人取り残されるというストーリー。

とにかく、誰が敵なのか味方なのか、分からず、非常にドキドキした。

バリー・コーガンが、ものすごい存在感だった。あの顔つきに目が奪われる。キーパーソンだった。中尉役のサム・リードも良かったな。なかなかのイケメン。

色々な一派があって、さらに、その中で、対立する者もいるし、イギリス軍の中でさえも、裏で動く者がいたりして、とても面白かった。見た目には、違いがない彼らなので、誰が何に属している人なのか、パッと見、分からないので、混乱しそうになったけれど、当事者達も、現実に、敵味方が分からない状況であったのだろうと思う。

軍が、もみ消す体質なところも、映画としては、面白かったけれど、実際には、由々しきことだなと思った。
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