MikiMickle

ナイスガイズ!のMikiMickleのレビュー・感想・評価

ナイスガイズ!(2016年製作の映画)
3.7
1977年が舞台。
あるポルノ女優の事故死をきっかけに、高齢者をターゲットとしたうだつの上がらない酔っ払いヘタレ私立探偵マーチ(ライアン・ゴズリング)と、ハードボイルドで力任せな示談屋ヒーリー(ラッセル・クロウ)が手を組む事となり、アメリアという女性を探す事となる。
さらには、マーチの娘のホリーも参加し……
ただの人探しだったはずが、そこにはある巨大企業のもくろみがあった…

まるでパルプ小説のような三文小説的ストーリーと、そこにコメディが混じった作品。
時にドリフ的な、時に社会風刺的なコメディです♪

ある意味ピエロ役を演じるライアン・ゴズリングったら♪
『ドライブ』や『オンリーゴッド』などでしっかりとしたクールな演技で魅せるライアン・ゴズリングですが、なんか『ラースとその彼女』にも通じる、イッちゃってるけどダメダメな愛すべき姿をまた見れたような気がして嬉しかったりしました♪ほんと、彼は役に徹する事が出来る俳優なんだなと。
特に今回は、ピンチや驚いた時の奇声が最高でした。 こんな声でるんだw 「ラ・ラ・ランド」のイメージで見たらビックリするだろうな

娘のホリーは、ダメダメな父に呆れつつも、本当は心底愛しているのが伝わってきて… その眼差しにキュンキュンなります♪ しっかり者で優しくて、曲がったことは大嫌いなキュートヒロインです♪

実生活で破天荒で女好きで短気で荒くれ者のラッセル・クロウは、太った太ったw 演技の為にかなり増量したらしいです。力任せだけど、実は優しいハードボイルド巨漢みたいなヒーリーおじさんにぴったりでした。実はラッセル・クロウ、好きじゃなかったんだけど、コレ見て好きになりました。

素敵なバディものです♪ どうしようもない二人が、なんだか結果的にお互いのダメさを知らず知らずにカバーしてるんだけど、結局ダメっていう。 まぁ、それも結果オーライじゃない?みたいな。
探偵映画としてもワクワクします♪

また、70年代が抱えていた問題定義も題材にし、そこはきちんと見せていて…例えば、デトロイトの自動車産業の繁栄とその裏にある闇…(後のデトロイトの衰退を知っている分、それがやけに虚言に見えてくるし、虚しさもある。)PTA監督の「ブギーナイツ」などで垣間見れるポルノ業界の如何わしさ、同じくPTA監督の「インフィアレント・ヴァイス」のような、ケバケバしく破天荒なフィルム・ノワール空気感もあり、繁栄の裏にある事実を垣間見れ……

とはいえ、コメディなので、楽しい楽しい♪前述したように、クールな役の多いライアン・ゴズリングのどうしようもなさは最高だし、ある意味で軽薄さがある70年代の雰囲気もあり、軽快なセリフ回しや明るさ。
なんか、アメリカンニューシネマの香りもするような…… 爽快感があり、特にラストとか幸せな気持ちになりました♪出合えてラッキーな作品でした♪
MikiMickle

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