なつこ

おみおくりの作法のなつこのレビュー・感想・評価

おみおくりの作法(2013年製作の映画)
4.4
静かで地味で音楽も少なく、日常音で進んでいく、それがジョン・メイの性格を浮き彫りにする。
きっちりと決まった時間、食事、物の配置、信号が青でも左右を見てから渡る「きっちりさん」身寄りが見つからなかった人達の思い出を預かる優しくも切ないアルバムを丁寧に作る。

それがビリーの生涯を追うことで、色々な人に会い、食事が変わり、路上でウイスキーを飲む。少しずつ活動的に、表情も明るくなっていくメイを嬉しく見つめていただけに、予想外のラストでした。
ラストシーンの演出を、隣で鑑賞されていたご夫婦は「ファンタジーだな」とおっしゃっていまいしたが、私はメイがずっと信じてきた「亡くなった者の遺志」を視覚化したのではないかと思っています。

好きなシーンは、ビリーの娘の家で足の壊れたソファを積み上げた本が支えてる、決して裕福ではないけど可愛い生活感を垣間見るメイ。そこに視線を感じて顔を上げると、犬が真っ直ぐな瞳で見つめている(笑)クスッとわらえる可愛いシーンでした。

書きたいことはいっぱいあるんですが、うまく書けない!
レビューなんていいから、とにかく観に行って下さい!
世代や立場によっても、感じるものが違うと思うので、是非多くの方に感じて欲しい。

私が孤独死した時には、ジョン・メイのような人に弔ってもらいたいな・・・自分は何処でどんな死に方をするんだろう。
誰か弔ってくれるのだろうか。
色々なことを考えますね。2回観たら、またちがう発見があるかもしれない。

全然良さを伝えられてないのがもどかしい!
深く深く胸の奥に残る作品です。
是非、観てください!
なつこ

なつこ