オトマイム

ハイ・ライズのオトマイムのレビュー・感想・評価

ハイ・ライズ(2015年製作の映画)
3.0
本作を観ながらあるドラマを思い出していた。有事の際に逃げ込む核シェルターでの生活を想定したもの。様々な機能を完備した、数十人収容できる広いシェルター。まるでひとつの地域社会のよう。その中で初めは仲良く暮らしているものの、密室での未来の見えないストレスに次第に人々の心が病んでいく。

さて、本作の舞台は凡そ考え得る全ての機能を備えた超高層マンション。その敷地から一歩も出ないで毎日暮らしていける。核シェルターと全く同じではないか。空恐ろしい。そんな環境で暮らしていたら人は人格が損なわれ人間として大切なものを失っていくのではないか。もともと高所や閉所が苦手なこともあり、正に怖いものみたさで鑑賞した。

パニック映画のジャンルに入るのだろうけれどとにかく酷く見苦しい作品だった。ずっと緊張感は保っており映画の出来は悪くないのだと思う、でももう二度と観たくない。しかし核戦争について考えを巡らすきっかけになったのですこし点数を上乗せしておきます(これでも)!