スズタカ

デッドプールのスズタカのレビュー・感想・評価

デッドプール(2016年製作の映画)
3.2
観たことがない、画期的なスーパーヒーロー映画を期待していた…が、しかし。

四六時中よく喋り、観客にも話しかけたり、全編に散りばめられたメタフィクションの子ネタもセンスが良くて面白かったのですが…全体的に見たら、大したことはない。まぁまぁの映画です、普通です、普通。

まず、脚本が良くないなぁ〜。

きっと本来の狙いは、自分と彼女のためだけに闘っていたつもりが、結果、市民を守り世界の平和を守っていた…という辺りでしょう。

だけど、この作品は、終始自分のためだけに闘っているようにしか見えない。これじゃ、ヒーローじゃないでしょ…。

必要だったのは、自分を犠牲にしてでも他者を助ける姿勢。それが、ヒーローだ!

クライマックスで、彼女を助けるために闘っていたのでは?と言うかもしれないけれど、自分の外見を戻すことと、彼女を助ける、という2つの目的を最後まで兼ねたままだったですよね?それじゃあ、ダメなんですよ。

自分のことなんてどうでもいいから、彼女を救いたい!というシーンが必要だったんじゃないかと思います。

また、全体の構成も良くないです。

現在と過去がごちゃ混ぜの、いわゆるパルプフィクション方式をとっています。

一見、トリッキーな構成が、型破りなデッドプールに合っているんじゃないかと思うかもだけど…演出上での必然性が全くないので、当然、効果も何もなく、単に観客の気持ちがスムーズに盛り上がるのを妨害するノイズになっていますね。

うーん、本来ならこんなに文句ばかり言わなくても良い程度の映画ではあったのですが…期待が大きかった分だけ、ガッカリ感も大きかったです。

まぁ…次回作に期待してます!
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