やや

セッションのややのネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

セッション、なんてクールなタイトルでいいのか?
狂気をもって狂気と殴り合うような作品。

前評判として狂ってるとは聞いていたものの、想像以上に狂気を感じて良かった。
私の中の理性は「いやそこまでせんでも…」と苦しく見ているのに、狂っていく過程で確かに感じる隠しきれないワクワク感。

舞台も登場人物も限りなく少なく、時間も短めの中で最大限の見せ方をしていると感じた。

フレッチャーは最後まで酷いやつだけどその中でちらりと見せる良い人っぽさ。そのバランスが素晴らしくて、結局彼の行動の意味や本心はどうだったのか最後までわからないようになっているのが良い。
でもレッスンの厳しさとは関係ないあのスラッスラ出てくる罵詈雑言は言ってて絶対気持ちよくなってるだろ…。サディスト極まってる。笑

ラスト10分は呼吸音すら邪魔に感じるくらいほぼ息をとめながら見入った。圧巻だった。
それまでの胸糞展開は、すべてこの時間のためにあったんだと。
演技力も、カメラワークも、音も、何もかも完璧な10分間だった。
そしてバッサリと余韻も残さぬエンディング。かっこよすぎる。
この後どうなるかなんて、何が語られても蛇足になるんだろうな。

人にオススメしたり観直すにはキツいシーンも多いけれど、忘れられない作品の1つになったなぁ。
やや

やや