takanoひねもすのたり

Red White & Blue(原題)のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

Red White & Blue(原題)(2010年製作の映画)
3.5
「The Room 閉ざされた森」で気になって続けてサイモン・ラムリー監督の作品鑑賞。
こちらも激しく鬱い作品でした。

ヒロインはビッチのエリカ。ふて腐れた表情で男漁りする女子。そんな彼女を何故か気にする隣人のネイト。最初は怪訝がっていた彼女もやがて彼と打ち解けるように。
一方、ちゃらいバンドマンのフランキー。ガン治療中の母親が快方に向かい、恋人が戻ってきて、更にバンドでツアーをやろうという人生絶頂期。しかし彼は絶望のどん底に叩き落とされる。エリカのせいで…というサイコスリラー。

エリカ、ネイト、フランキーがそれぞれどこか狂ってる/狂ってゆく話で、誰にも救いが無いのがすごい。最後にはそれぞれの絶望のみが提示される。ネイトの狂気が1番激しく描かれるのは物語上当然とはいえ、この人は元からサイコパスなんじゃないかって気もする(動物虐待の事実からして)

エリカは過去の行いに復讐される結末になり、フランキーは考え無しの行動にしっぺ返しを喰らうことになる。
繰り返されるピアノの不協和音がしょっぱなから不穏な雰囲気を作りあげており、着地が決してハッピーエンドではないことを暗示しているよう。
ただただ鬱いバッドエンドの物語でした。
もちろん好物でした。