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すずめの戸締まりのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.8
幼い時に負った喪失の痛みを慰撫出来るのは本人である、というその式が潔い。 
他者の慰めからではなく、あくまで己が己の死生観を見つめ直すというきれいな循環でもある。

悲しみで閉ざすのではなく、その先を進んで開くことで新たに広がる世界もあるのだ、きっと、たぶん。

序盤から中盤はともかく、後半は震災の解像度が個人的にエグい角度できたため、泣くなつーほうが無理だった。
あと猫……。



すずめが芹沢の車中で食べてたパンは気仙沼工房のコッペパンかなあ。
久しぶりに食べたくなったかも……そのうち探しに行こう、どっかの催事か週末のイベントに出店がありそう。

『君の名は』までの作品は10代から残響のように残る呪い(恋の)の描写に震え上がってたけど『天気の子』で比較的それは弱まり『すずめの戸締まり』ではすっかり影を潜めてるなあ。