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マイ・ブロークン・マリコのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)
3.2
原作既読。

自死した幼馴染のマリコ(奈緒)の遺骨を彼女の実家から強奪し、マリコが見たいと言っていた海へ向かうシイノ(永野芽郁)話。
共依存にある女同士の友情(喪失)がメインだけど、背景にDVと性虐待とネグレクト。

奈緒さん演じるマリコの造形がまんまだった。釣人マキオの窪田正孝さんの存在感が◯、テンション低めなトーンの語りがいい塩梅なの、とても上手いと思う。
シイノ役の永野芽郁さんは口の悪さと粗雑さを"頑張って演じている"のが透けて見えてしまっているように感じて私には合わなかった。
ガラスの仮面風に言うなら「仮面を被りきれてない」感じを受けたというか。

ラストの手紙(遺書)の文面は原作でも、何て書いてあったのかは見せてない。
2人が共依存にあった関係を前提に、どういう文面だったらシイノは「うん」と言ったかなと考えてみたけど、結局は何でも良いのだ、自分が納得できるなら。
この余韻は成功してると思う、原作も映画も。

マリコ→シイナ、シイナ→マリコの"→"の内容が同質の物ではないのは、マリコの「シイちゃんの子供に生まれたかった」の言葉が象徴的だと思う、個人的に。